脂質異常症 その1

脂質異常症とは
血液中の脂質の値が基準値から外れた状態です。
どの項目も動脈硬化を進行させてしまうため、脂質異常症であることは動脈硬化を原因とする病気になりやすい状態といえます。したがって、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高い状態になっているということになります。
脂質異常症の検査項目
HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、Non-HDLコレステロールの4つあります。
HDLコレステロール 血管壁から過剰なコレステロールを回収し肝臓に戻します。 この働きが動脈硬化の進行を抑制するため善玉コレステロールと呼ばれます。ですので、この項目だけは基準値より低いことが診断基準になっています。
LDLコレステロール 体の必要な個所にコレステロールを運ぶ役割を持つが、過剰に存在すると血管壁にコレステロールを蓄積させてしまいます。これが動脈硬化を進行させてしまうため悪玉コレステロールと呼ばれます。
中性脂肪 肉や魚、食用油などの食品中の脂質や体脂肪の大部分を占める物質で、一般的に「脂肪」といえば中性脂肪のことを指すことが多いです。 血中濃度が高くなるとHDLコレステロールが減少したりLDLコレステロールが増加するため間接的に動脈硬化を進行させるほか、LDLコレステロールほどではないが中性脂肪自体にも動脈硬化を進行させてしまう働きがあります。
また、中性脂肪値が500mg/dl以上であるような高中性脂肪血症では急性膵炎のリスクが高まるそうです。
Non-HDLコレステロール
総コレステロール値からHDLコレステロール値を引いたもの。血液中にはLDLコレステロール以外にも動脈硬化を促進してしまうものがあります。
そこで、動脈硬化を抑制する働きのあるHDLコレステロール以外の数値を算出することで、動脈硬化のリスクを総合的に管理するということのようです。
脂質異常症の診断基準

| LDLコレステロール | 140mg/dl以上 | 高LDLコレステロール血症 |
| 129~139mg/dl | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
| HDLコレステロール | 40mg/dl未満 | 低HDLコレステロール血症 |
| 中性脂肪 | 150mg/dl以上 | 高中性脂肪血症 |
| Non-HDLコレステロール | 170mg/dl以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
| 150~169mg/dl | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |
脂質異常症の原因
脂質異常症にはいくつかのタイプの原因があるようです。
食生活や環境 過食、運動不足、肥満、喫煙、アルコールの飲みすぎ、ストレスなど。
遺伝的要因 このタイプは「家族性高コレステロール血症」と呼ばれ、遺伝性でないものに比べLDLコレステロール値が著しく高く、動脈硬化が進行してしまいやすいといわれています。
病気や薬などの影響 ホルモンの分泌異常、糖尿病や腎臓病、ステロイドホルモンなどの薬など。
脂質異常症 その2に続く
参照
池上博司・楽木宏実編,2011,『脂質異常症・肥満~動脈硬化~(予防とつきあい方シリーズ)』荻原俊男監修,メディカルレビュー社.
日本動脈硬化学会,2017,動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版,日本動脈硬化学会.